さよならときみがくちびるをうごかしたあの一瞬は、呪いみたいにぼくに襲いかかって、この目をずうっと縛るんだ。
時間も生命も存在している限り、有限であり無限ではない。生まれるものがあれば無くなっていくものもあるのだ。
物心ついた小さい頃からその声を聞いてきて、好きだった声優さんのひとり、藤原啓治さんが亡くなったと知った。2016年に病気療養のため活動を制限して、約1年後の2017年には体調に考慮しながら活動を再開し始めていた。ガンだったらしい。ガンだったのか……知った時は、そういう気持ちだった。わたしは、藤原啓治さんの完全復活を待っていた。心待ちにしていた。何で？嘘でしょ？嘘だと言って。あの渋い声で、「ごめんな心配させて。嘘だったんだよ」と笑いながら言ってよ。55歳、早い……早すぎるよ藤原さん。日本声優界でまたひとり大きな人材がいなくなってしまった。ぽっかりと心に穴が空いた。頭が真っ白になるとか頭をガツンと殴られたような感覚とはまさにこの事だな、と。
HUNTER×HUNTERのレオリオのような良きお兄さんみたいな青年から、クレヨンしんちゃんのひろしや鋼の錬金術師のマース・ヒューズのような良き父ちゃん、青の祓魔師の藤本獅郎やグランブルーファンタジーのオイゲンのような渋くてかっこいいおじさんみたいに幅広い役柄を演じていた藤原さん。藤原さんが演るキャラは大体推し、くらいのレベルでみんなみんな大好きなキャラだった。アニメでも洋画でも、藤原さんの名前を見ない日はなかった。本当に本当に、声優界は惜しい人を亡くした。
何か、何かもっと藤原さんが演じた(好きな)キャラクターのこととかもっと書きたかったんだけれども、あまりにもショックが大きすぎて何から書いていいのかも分からないし、もう割と書くのも苦痛になってきつつあるのでそろそろ書くのやめようかな……訃報を知った時あれだけ泣いたのに、また泣きそうになってきている。藤原啓治さん。ゆっくり休んでください。
ありがとう、大好きな声優さん。今までも好きだけどこれからも好きだよ、ずっと好きだよ藤原啓治さん。みんなの心の中に、あなたはずっと生き続ける。
推しに会いたいなぁ。
