饒舌にかたる舌は不味い
※ネタバレ含みます。これから見ようとしてる方は注意。
せなけいこ展行ったあと「ドクター・ドリトル公開してるから見に行かないと!」とか前日まで思ってたのに、今日せなけいこ展行ったらそれで満足してそのまま帰ろうとしてしまう痛恨のミスをしかけるところだった。ちゃんとドクター・ドリトル見てきたよ。元々ドリトル先生シリーズが好きなんだけど、再映画化してそのドリトル先生役を藤原啓治さんがやるなら尚のこと見に行かねば!と予告を見てから意気込んでたんだけど、コロナのせいで公開が延期してやっと最近公開できて、やっと見れた。
コロナで公開が延期している間にドリトル先生に声を吹き込んだ藤原啓治さんが亡くなったから、ドクター・ドリトルが遺作になった。いち藤原啓治ファンとしては、見る前からもう既に泣きそうだったしたぶんドリトル先生が喋り始めたら映画終わるまで涙でスクリーン見えねえ状態になるんだろうなあ、と思いつつ映画館の入場アナウンスを聞きながらポップコーン片手に席に着く。
まず言えるのが、ドリトル先生自体1998年にエディ・マーフィ主演で映画化もされてるけど、それとはまた別物。エディ・マーフィのドリトル先生は動物の言っていることが分かる、だけどロバート・ダウニーJrのドリトル先生は動物語(と表現したらいいのかな)で話している。そのドリトル先生が宮殿の王妃にひっそりとした屋敷をもらって人間を受け入れず動物とともに気ままに暮らしている……原作にそういうシーンはなかったような、と思いつつ、その王妃が病に伏し、その病を治すための果実を探しに聡明なオウム・ポリネシア、気弱なゴリラ・チーチー、寒がりのシロクマ・ヨシ、皮肉屋なダチョウ・プリンプトン、気性の荒いリス・ケヴィンらと共に海へと駆り出していく冒険奇譚。プロローグ段階でこれはきっと違う世界線のドリトル先生だと割り切って見ることにした。ただ、ドリトル先生が喋り始めた瞬間、「うわあ、藤原さんだ……!!」ってなってそこで一気に涙腺が死ぬ。というか、死んだ。
物語は詰め込み詰め込み、感動する余韻もなく単調に進んで行ったように感じる。吹き替え版で見たからなんだろうけど、声優陣が豪華な上、動物たち各々の際立ったキャラクターや躍動感溢れるCGに、目も耳も癒される感じ。たぶんだけど、わしは小学生低学年の頃にドリトル先生を初めて読んで、エディ・マーフィ版のドリトル先生も記憶にない中小説のイメージのまま映画館に足を運んだのがよくなかったのかなあ、と冷静になった頭でこの感想を書いている。ドリトル先生見たさはもちろんあったけれども、藤原啓治さんの遺作となったドリトル先生を見たかっただけでは?とふと思ってみたりもする。何も考えずに頭を空っぽにしたら楽しめる。何だろうな……感想なんだけど感想になりきらないこの感じ。書けない。書けないということはそれほど心に留まらなかったということなのかな……なんかそれも悲しきかな……何も考えずに頭を空っぽにして見たらきっとそれなりに楽しめると思うし面白いと思います。ただ、推し声優が声を吹き込んでるからといい2回目以降の鑑賞は個人的には考えちゃうかな……って感じ。そうなるのもちょっと残念。
とりあえず、吹き替え版の声優陣は豪華です。
マッドフライ:大塚芳忠
ラソーリ:大塚明夫
プリンプトン(ダチョウ):八嶋智人
チーチー(ゴリラ):小野大輔
ヨシ(シロクマ):中村悠一
ジップ(犬):斉藤壮馬
ケヴィン(リス):黒田崇矢
チュチュ(キツネ):沢城みゆき
ベッツィ(キリン):花澤香菜
ミニー(フクロモモンガ):茅野愛衣
バリー(トラ):池田秀一
ジェームズ(トンボ):杉田智和
ドン・カーペンテリノ(アリ):井上和彦
ウサギ:諏訪部順一
アーサー(ネズミ):増田俊樹
ハンフリー(クジラ):武内駿輔