私と石井裕也

※2018年10月4日にnoteに投稿したものの再載です。なので文章はその当時のものです( ᵕᴗᵕ )

 

 


 

レオのTwitterをフォローしていて、ツイートを見ていたら分かるとおり、私はファイターズファンである。だから、基本的に見る試合はパ・リーグの試合。セ・リーグの選手は知っていても、なかなか試合を見るまではいかない。

ある時、ファイターズとベイスターズの交換トレードが出された。ファイターズからは江尻慎太郎ベイスターズからは石井裕也石井裕也……?申し訳ないが、正直に言うと知らない名前だった。どんな選手なんだろう、そう思っていた矢先に、多分テレビでファイターズ戦を見た時に、初めて石井裕也のピッチングを見た。そして、投げた後にふと映る右耳の補聴器。「難聴の選手なんだ」。一瞬でそう思った。

14歳で、初めて知りピッチングを見た選手。衝撃を受けた選手。先天性難聴で、左耳は全く聞こえず、右耳は補聴器を付けていても少し音を拾うだけ。そんな状況なのに、マウンドに上がると集中するためにプロスポーツ選手に必要であるであろう音を遮断するために補聴器を切る。そのことから、彼は〝サイレントK〟。そう呼ばれていた。私が、石井裕也をかっこいいと思うには時間はかからなかった。


左のワンポイントリリーフとして首位争いを演じる日本ハム中継ぎ陣を支えた2011年シーズン。1球勝利、2球勝利はただひたすらにすごいって思った(語彙力)。リリーフ陣の一角としてリーグ優勝に貢献した2012年。これはもうありがたいの一言だった。好き。最高に好きだと思った。2013年と2015年は51試合に登板。何なんだよこの人。先天性難聴っていうハンディキャップ抱えてるんじゃないのかよ。かっこよすぎるだろ。結婚してくれ(?)。
今年は今まで1軍に上がることも無く、2軍での結果もイマイチで、もしかしたら引退か戦力外通告出されるんじゃないかなとヒヤヒヤしていたが、やはり引退。自分が決意して、後悔もなく引退してけるのであれば、それはもう彼の本望であるのではないか。そう思った。

不思議と、引退すると知った時は涙は出なかった。じわじわと引退するんだなあってなった時に、ふとポルノグラフィティの「キング&クイーン」という曲を聞いていた時に、「思っていたよりもちっぽけな自分でも うつむかず上を向いてた 穢れのないこの想いが そばにあることが誇らしくて」「強さとは己自身を 何度でも信じられること」「想像を超えたときこそ 新しい自分になれる」という歌詞に、無意識に泣いてしまった。2018年現在のプロ野球界で、1番好きな選手が引退する。その現実が辛かった。

 

 

石井さんの引退試合、対戦相手は高校の後輩である秋山翔吾。木村文紀、金子侑司を堀くんが抑える。えらい、えらいぞ孫。可愛いぞ孫。秋山翔吾とコールされる。堀瑞輝に代わりまして、ピッチャー、石井裕也。背番号13。流れるSEKAI NO OWARIRPG。石井さんのピッチングを現地で見るのは、いつ以来だろうか。久しぶりに見る、その姿に、RPGの歌詞に、泣いてしまう。RPGの歌詞は、石井さんのこれからのようで。

 


話は360°変わるが、私は介護福祉士を目指している。そう決めたのは、高校2年生の夏頃。小学生時代に知的障害の子と関わっていたり、幼なじみにアスペルガーの子がいたりという経験や東日本大震災があったから、何か人の力になりたいと考えざっくりと福祉関係の仕事に就きたいと思った。その、福祉関係の仕事に就きたいという考えも、上記の理由の他に石井裕也投手の存在があったことも大きな理由の1つである。石井投手も、道内にある聾学校の生徒と交流があったり、札幌ドームにも聾学校の生徒達を招待している。そんな姿を見て、「人の役に立てるような仕事に就こう」と決心がついた。なかなか出来ずにいるが、手話の勉強もしてみようかな、とかも考えている。そんなこともあったから、石井投手は私の将来を決めてくれた人、とも言ってもいいかもしれない。


基本的にパ・リーグの試合しか見る機会のない自分からしたら、トレードで石井投手が来てくれなかったら、ずっと石井投手のことを知らなかったかもしれない。自分の将来の夢をずっと何しようかと悩んでいたかもしれない。1歩先を見せてくれたのは、紛れもなく石井裕也です。マウンドで投げている時の表情はかっこよく、その反面普段は恥ずかしがり屋で真面目で優しくて、後輩に構っている姿や笑顔は可愛くて、そんな石井裕也投手の活躍を9年間地元の球団で見ることが出来て本当によかった。好きになってよかった。ファンでいてよかった。
ファンフェスで1度、「大好きです」と伝えたことがある。その時に恥ずかしそうに言ってくれた「ありがとうございます」が忘れられない。


本当に大好きです。14年間、お疲れさまでした。まずはゆっくり休んで、奥さんと子どもたちとどこかに行って、それからまた大好きな野球に携わってくれたらいいなあと思っています。大好きな選手、そして1人の人間として、これからの石井裕也に幸あれ。

 

 

youtu.be

まとまりのない文章且つ、Twitterでこの文章を見た人は「ほぼ内容一緒じゃねーか!」ってなったと思うけど、ここまで読んでくれてどうもありがとう。
ついでと言っちゃ何だけど、引退セレモニーが終わったあとにファイターズの公式YouTube石井裕也のしたためた想い。という動画がアップされたのを見てくれただろうか?(誰目線)その最初の方で、石井さんがセレモニーで言うための文章を考えてるシーンがある。そこで「まだ書けてないの」って言う。それだ。そこのシーンだ。言い方が可愛い。可愛い。とにかく可愛い。37歳だ。この人は37歳だ。くそ可愛いぞ。私の推し、くそ可愛いぞ。是非見てくれ。